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「旅するカタリ」を開催しました

 6月2日(土)、8月4日(土)に姜信子 x 渡部八太夫による「旅するカタリ」を開催しました。ご来場いただきました方々、誠にありがとうございました。

 6月に行われた vol.1 では、石牟礼道子『水はみどろの宮』をテーマに、二人の演者がその水の洞窟へと向かった実際の旅の道程など、作品世界がより豊かな理解へとつながる貴重なお話をいただきました。さらに姜信子さんが新刊『現代説経集』「説経 愛護の若」からそのカタリを披露。渡部八太夫師による三味線の響き、また水が流れ続ける映像とともに、新しい物語が展開されました。

 8月の第2回目では、同じく石牟礼道子『苦海浄土』「九龍権現」からスタート。同書に登場する杢太郞少年に「オジイ」として語りかける八太夫師は後半さらにヒートアップ。水俣の映像とも重なり、観るものを圧倒させる迫力に満ちていました。また、姜信子さんは新作「百合若大臣」異聞、また著作の『妄犬日記』からの朗読を。音と海の映像、そして現実と物語を惑乱させるそのカタリは極めて刺激的なものでした。

 いずれの会も、本と言葉と場所の可能性を広げる、「はじまり」を告げるような夏の夜となりました。ご来場の皆様、演者のお二人にあらためて御礼申し上げます。

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