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コイズミアヤ「かさなりとかたまりmini」展を開催

 2017年10月19日(木)~12月20日(水)コイズミアヤ「かさなりとかたまりmini」展を開催しました。

 書店の棚と壁という限られたスペースでのささやかな展示でした。しかしながら、組み合わさり、重なり合うことで成り立つ作品と、そのまわりにある棚の本たちが、かたちや用途は違えど共通の仕組みを持ち、ひっそりと静かに応答しあうような空間が成立していました。(す)

 展示にあたっては、作家の言葉が以下のように記されています。

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かさなりとかたまり

 箱を主なテーマに制作をしています。自分や人やこの世界の成り立ちへの興味から、物語や信仰、神話、ユング心理学などを入口に、内側へ向かって知ろうとすることが箱のかたちを用いた作品につながっていました。

 制作を続ける中で、箱には内も外もあり、その関係は入れ替わり変容すると実感できるようになっていきました。そして今は、神様や運命といった形而上学的なものこそが、箱の「板の厚さ」という具体的な物事に集約されているように感じています。箱を組み立てたり、重ねたり、かぶせたりすることは一見脇役に見える「板の厚さ」に事の主導権を握られています。そこでは計算や計画でわかりきった結果が待っているだけのようにもかかわらず、実際にかたちはイメージしきれない要素を持っていて、シンプルなのに把握しきれない不思議を経験します。

 かたちに背景や含蓄を持たず、ただただそれを注意深く、そして自然に見ることについて、理解したり把握することの難しさや可能性について、目を向け続けていたいと思っています。

コイズミ アヤ

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 今回は以下の作品が展示されました。

「かぶさる箱3」2017/ 木 (組み合わさった8つの箱)

「鉛のかさなり」2017/ 鉛(入れ子状に重ねられた36枚の鉛)

「Land(器と塊)」2014/文庫本の表紙・土

「遅れてきた光―ある返礼IV」2015/デジタルピグメントプリント

コイズミアヤ

http://www.nct9.ne.jp./coizumi/

 本展示に際し、多くの方のご尽力をいただけましたことを心より

御礼申し上げます。ありがとうございました。(忘日舎店主)

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