島尾伸三とアスカ・O展「おうこくーQueendom Kingdom」
島尾伸三とアスカ・O 展 「おうこく」
忘日舎では12月3日(土)より島尾伸三とアスカ・O展「おうこくーQueendom Kingdom」を開催します。
島尾伸三『まほちゃん』より
アスカ・O 作品より
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事の発端はこうだ。 初夏の遅い昼食時、知人と島尾邸に行く約束をしていたが、 私は1日早く邸のベルを鳴らしてしまった。 パジャマ姿の伸三さんと登久子さんは、慌てる事なく中へ入れてくれた。 私は、ひとりで夫妻が昼食を食べ終わるのをリビングで待っていた。 まわりは、捨てるということばが、辞書から消えてしまったかのような物、者、モノ…… おもちゃ、人形、ロウソク、カードなどなどなど……。
少し薄暗いリビング、グレゴリオ聖歌と素麺を啜るズーズゥーー、ズーー。 不思議な王国に迷い込んでしまったようだった。 その子もあの子も、どの子もそこでは王様みたいに強く存在感を放っていた。 そして私もいっとき、王国の住人だったのだ。
かつてはその王国の女王さまだった「まほちゃん」。その写真と、私が描く「いま」の王国の絵を並べて、奇妙で愛おしい時間を感じて頂けたら幸いです。
アスカ・O
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会期は12/3(土)から11(日)まで。時間は店舗営業時間と同様、
最終日のみ17時までとなります。
写真と絵で織りなす、奇妙で愛おしい「おうこく」のなかへ。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
<プロフィール>
島尾伸三(しまお・しんぞう) 1948年神戸に生まれ。写真家。奄美大島で育つ。1974年東京造形大学造形学部写真専攻科卒業。 1978年に写真家・潮田登久子と結婚、ともに中国、香港の庶民生活のリポートをはじめる。 個展〈China Town〉〈スペイン・レストラン〉〈生活1990-1995〉など、毎年数回の展示会を行なっている。 『中国庶民生活誌 裏街春秋』(東京書籍)、『生活』(みすず書房)、『中国茶読本』(平凡社)、 『月の家族』(晶文社)、写真集『まほちゃん』(河出書房新社)ほか。
アスカ・O(アスカ・オー) 絵描き。御殿場生まれ。多摩美術大学卒業後、美術館や博物館勤務を経て、 2014年から3,4ヶ月おきに東京と地方で、その場所ならではの勝手に町おこし的な個展を開催。 http://kikiriki.info